2019年に廃止されたJR夕張支線の清水沢駅跡。かろうじて残るレールも草木に埋もれつつある=2025年6月、北海道夕張市清水沢3丁目、上地兼太郎撮影

 国土の22%の面積を占める北海道。生きるため、暮らすための移動は、本州以南ではなかなかない時間と労力がかかる。だが全国を上回るペースで人口減が進む道内では、公共交通の維持もままならず、細り続けるばかりだ。

財政破綻した夕張 市外に出るのも一苦労

 2007年に財政破綻(はたん)した夕張市。353億円あった累積赤字は26年度末にようやく返し終える見込みだ。

 ただ、人口流出に歯止めがかからない。ピークの1960年には約11万7千人暮らしていたのが、07年は約1万2千人、直近では約6千人に。その半数が65歳以上だ。

 石炭産業の最盛期には、国鉄や私鉄が市内を駆け巡っていた。だが炭鉱の閉山で鉄路は次々と無くなり、最後まで残っていたJR北海道・石勝線の夕張支線(新夕張―夕張)は19年に廃線になった。

 24年には、夕張―札幌の高…

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