中学校の統合建設計画をきっかけに町政が紛糾する宮崎県川南町で、町議会(定数13)の解散の是非を問う住民投票が9日、投開票された。賛成(4230票)が反対(1768票)を上回り、議会は即日解散された。40日以内に町議選が行われる。当日有権者数は1万1973人、投票率は50.51%。
地方議会の解散請求(リコール)は平成の大合併(1999~2010年)のころは各地で成立する例があったが、近年はなかった。直近では12年10月の山梨県西桂町で成立している。
川南町の人口は約1万4千人。戦後、旧軍用地の開放によって多くの人が入植し、青森県十和田市、福島県矢吹町と並ぶ三大開拓地のひとつとされる。町史には「入植者の出身地は全国の都道府県に及んで、『川南合衆国』と呼ばれるにふさわしい状況であった」と記されている。
町政の紛糾のきっかけは、23年4月の町長選と町議選。町内の二つの中学校を統合し、新中学校を建設する計画が争点になった。町長選は計画に反対する新顔の東高士氏が初当選し、議会も反対派が過半数となったことで、建設計画を廃止する議案が可決された。
しかし、24年7月に東氏が…