人気バレーボール漫画「ハイキュー!!」のキャラクターたちが並ぶ撮影スポット=2024年3月25日、軽米町のかるまい文化交流センター、小幡淳一撮影

 人気バレーボール漫画「ハイキュー‼」の舞台とされてきた岩手県軽米町が揺れている。国内外から聖地巡礼でファンが訪れているが、漫画を出版する集英社やアニメの映画を配給する東宝などから「著作権侵害の恐れがある」と指摘されたのだ。地域おこしの起爆剤として活用してきた町は「慎重にならざるを得ない」と頭を抱えている。

 週刊少年ジャンプ(集英社)に2012年から連載されたマンガ「ハイキュー‼」は、男子高校バレーボール部の仲間たちが全国制覇を目指す物語。作者の古舘春一さんは岩手県立軽米高校の卒業生で、漫画に登場する「烏野(からすの)高校」の校舎や体育館、廊下などは母校をイメージしているのではないかと言われている。

 しかし、漫画の舞台は仙台市とされ、登場するキャラクターたちが仙台観光特使に委嘱されるなどしている。軽米町は公式に認められているわけではなく、あくまでファンの間でのみ知られた存在だった。

 だが、今年に入り、新作映画がヒットした影響で、町への注目が高まり、海外からやってくるファンも増えた。

求められた慎重な対応

 そこで、町はかるまい文化交流センターに、オリジナルの等身大のパネルを並べた撮影スポットを開設。独自の法被やチームの応援旗なども用意した。東京や盛岡から高速バスを利用した場合、町内で使える共通商品券がもらえるキャンペーンも宣伝し始めた。

 ところが、最近になって作品…

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