「ダマスクローズ」という香りの強いバラを、熊本県・阿蘇のカルデラの中にある小さな集落が、各戸1本ずつ育てている。花を加工用に売り、町内会費を無料にするのが目的だ。今年、そのために人気漫画「ワンピース」から頼もしい助っ人がやってきた。
熊本県南阿蘇村下田区町内会は、2016年4月の熊本地震で被災後、人口減少に拍車がかかった。1983年ごろに約100軒あった民家が地震前には約80軒になっていたが、現在68軒。町内会長の長野良市さん(68)は、年間6千円の町内会費が高齢者世帯に重い負担になっていることを気にかけていた。
3年前、長野さんは「各戸の庭でハーブのような植物を育てて売り、会費分を稼げないか」と思いつき、知人の栽培・加工業者に相談した。業者はペルシャ(現イラン)が原産とされるダマスクローズを無農薬栽培することを勧めた。5~6月、1本の木に大量の花をつけ、香水や調味料などに使われる。気候もこの地に合っているという。
2022年秋に移住定住関連…