国連は19日、世界各地で2024年に殺害された人道支援従事者が383人に上り、記録を始めて以来、過去最多を更新したと発表した。前年の293人から約3割増えた。約半数にあたる181人が、戦闘が続くパレスチナ自治区ガザで殺害されており、死者が増えた要因だとしている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、60人がスーダンで死亡した。25年は今月14日時点ですでに世界で265人が死亡しているという。
24年はこのほか、世界各地で308人が負傷し、125人が誘拐され、45人が拘束された。「支援従事者への暴力は21カ国で前年から増加し、多くの場合は国家機関が加害者だった」としている。
グテーレス事務総長はX(旧ツイッター)で「国際法は明白だ。人道支援従事者を攻撃の標的にしてはいけない。支援従事者への攻撃は、人類に対する攻撃だ」と訴えた。
発表は19日の「世界人道デー」に合わせて行われた。世界人道デーは、03年8月19日にイラクのバグダッドで国連事務所が入るホテルが攻撃され、国連職員ら22人が死亡した事件を契機に定められた。