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空爆で崩れた建物のなかで、遊ぶ子どもたち=2023年11月24日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファ、ムハンマド・マンスール撮影
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 パレスチナ自治区ガザで、戦場の実態を伝えてきた朝日新聞の現地通信員、ムハンマド・マンスールさん(29)の命が奪われた。イスラエル軍の苛烈(かれつ)な攻撃を記録し、戦時下の市民の声を拾い、日本の人々に伝えてきたマンスールさん。その果たした役割の重さとは。

 マンスールさんは大学でメディア学を専攻し、2023年10月から朝日新聞の通信員となった。ガザ地区での海外メディアの取材をイスラエルが排除する中、現地の状況を朝日新聞を通して日本に伝えてきた。

 ガザで30年以上の取材歴があるジャーナリストの土井敏邦さんは、「現地の人々の等身大の苦しみや絶望をすくい上げてきたマンスールさんの仕事は、いま一番ガザで必要な報道。敬意を抱いて見てきた」という。

 土井さんは「ガザに限らず世界中の紛争地域で、本来ならマンスールさんがやった仕事を日本人記者もやらなければいけない。日本社会の空気、社会常識、理解度などを肌感覚で分かる日本人記者が、現地で取材してこそ伝えられる情報がある」と言う。

経営悪化で特派員減・リスク回避傾向も

 しかし、戦場など危険な場所…

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