多摩ニュータウンの団地の一角=2024年3月14日、東京都多摩市諏訪5丁目、藤田大道撮影
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 ある宴席で、耳を疑う話を聞いた。

 〈多摩ニュータウンは、縄文時代から人が住んでいたみたいですよ〉

 東京都の多摩、八王子、稲城、町田の4市にまたがる巨大ニュータウンの意外な情報に、多摩住民の端くれとして調べずにはいられなかった。

 京王線と小田急線、多摩モノレールが乗り入れる多摩センター駅(多摩市)に降り立った。

 近くには、室内型のテーマパーク「サンリオピューロランド」がある。パステルカラーの服をまとった来園者も多く、どこかふわふわした空気感がただよう。

 少し歩くと、ビルの合間に突然、茶色一色の竪穴住居が現れた。先ほどまでのメルヘンな雰囲気とのギャップに、思わず笑ってしまった。

 「アクセスはいいのですが……」と苦笑いしながら出迎えてくれたのは、都埋蔵文化財センターの長佐古真也さん(63)。竪穴住居の復元展示は、センターの一角にある。

 1960年代に始まった多摩ニュータウンの開発に伴い、遺跡調査が実施されてきた。約40年にわたる調査で見つかった遺跡数は964にのぼり、センターではその出土品などを展示している。

 長年発掘調査に携わってきた長佐古さんはこう言った。

 「今の多摩ニュータウンは、3代目と言えるかもしれませんね」

 長佐古さんによると、初代の…

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