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8月9日午後に39・3度を記録した名古屋市内=2024年8月9日、名古屋市中区、臼井昭仁撮影

 環境省は6日、熱中症対策についての専門家会議を開き、市民に予防を呼びかける熱中症警戒アラートの今夏の発表数が約1500回で過去最多だったと明らかにした。4月から運用が始まった、警戒アラートの一段階上の特別警戒アラートの発表機会はなかったが、課題も見つかった。

 警戒アラートは、44都府県と北海道、鹿児島県、沖縄県を細分化した計58地域で、各地域内にあるいずれかの測定地点で、気温や湿度などの「暑さ指数」が33以上となる場合に発表する。一方、特別警戒アラートは、都道府県内の全ての測定地点で暑さ指数が35以上となる場合が対象。

 環境省によると、4月24日~9月2日の警戒アラートの発表数は1494回。これまでに最多だった昨年は4月26日~10月25日に1232回で、今年はすでに過去最多を更新した。

 特別警戒アラートの発表基準を満たした日はなかった。しかし、全地点で暑さ指数が33以上だった日は7月20~8月19日に7県で、のべ25日あった。7県は埼玉、神奈川、富山、岡山、香川、福岡、佐賀だった。

 会議では委員から、特別警戒アラートをめぐり、全地点で暑さ指数35以上としている基準が妥当なのか検討すべきだという意見もあった。平地より比較的涼しい山間部に測定地点がある都道府県もあり、全地点とすると実態にそぐわない可能性があるとの指摘だった。(市野塊)

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