日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)を昨年のノーベル平和賞に選んだノルウェー・ノーベル委員会のフリドネス委員長が25日、東京都内で朝日新聞のインタビューに応じた。今年の平和賞選考や、受賞に意欲を示すトランプ米大統領などについて答えた。主なやりとりは次の通り。
- 「核のタブーが脅威に直面、世界の指導者は被爆地に」ノーベル委員長
――今回の訪日中、広島と長崎を訪れました。
広島と長崎を訪れ、被爆者と語り合い、彼らの証言を聴き、資料館や慰霊碑を訪れた人間が変わらないままでいることは不可能です。
この旅は、私たちノーベル委員会だけでなく、私個人にとっても重要でした。これらの場所を訪れた誰もがそうですが、私たちは被爆者からの印象と証言によって、永久に変えられました。それが、場所と物語がもつ力です。
記事の後半には、今年の平和賞ではどんなメッセージを伝えたいか、平和賞の受賞に意欲を示す米国のトランプ大統領についても聞きました。
――ウクライナに侵攻するロシアが核の脅しをちらつかせるなど、世界で核をめぐる緊張が高まるなか、昨年は日本被団協に平和賞を授与しました。
常によりどころとするのは、(ノーベル賞を創設したスウェーデンの発明家)アルフレッド・ノーベルの遺言です。人類に最も貢献した者に授与するという内容です。毎年の選考は、私たちが生きている社会での重要な課題に目を向けてきました。過去を振り返っているだけではありません。
「核のタブー」は脅威にさらされている
原爆投下から80年を迎えよ…