佐渡市内に広がる水田=2025年6月28日午前8時29分、新潟県佐渡市、山崎靖撮影

 JA全農にいがた(新潟市)は19日、今年産米について農家に支払う前払い金(概算金)の額を決めたと発表した。ブランド米として知られる魚沼コシヒカリ(1等米)は60キロ3万2500円と昨年産を67%上回った。新潟県内のほかの産地のコシヒカリも3万円を超え、いずれも過去最高だった。

 新潟県は作付面積と収穫量(いずれも2024年時点)で全国トップ。魚沼産のほか、岩船産と佐渡産は3万300円(昨年度比75%増)、一般は3万円(同76%増)。これまでの最高額は1996年魚沼産の2万8千円だった。

背景に生産コスト上昇など

 高値の背景には、農薬や物流費が高止まりして生産コストが上昇していることや、高値をつけている他県産米の動向などがあるという。JA全農にいがたの担当者は、生産者が十分な利益を確保できなければ規模拡大ができないとして「生産者が減る中で農業を魅力的な産業にするための経営強化の観点も踏まえた」と話す。

 JA全農にいがたはこれまで概算金を発表してこなかったが、米価が高騰する中、消費者に背景も含めて正確に知ってもらう必要があると考え、公表に踏み切った。

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