昨年9月、5年ぶりに国営ひたち海浜公園で開催されたロッキン。8月には千葉で催された=2024年9月14日、茨城県ひたちなか市、張守男撮影

 日本最大級の野外ロックフェス「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(通称・ロッキン)」が、13日から千葉市蘇我スポーツ公園で始まる。真夏のフェスが今年、初めて秋に開催される。背景には音楽評論家で、ロッキンの生みの親でもある故・渋谷陽一さんが大切にしてきた、来場者への「ホスピタリティー」の精神があると、渋谷さんと長年交流があった茨城県ひたちなか市観光協会長の海野泰司さん(60)は言う。渋谷さんが託した思いとは、何だったのか。

「トイレに並ばないフェス」の精神

 ――今年7月に渋谷さんが74歳で亡くなられました

 「私が最後に直接お会いしたのは、2023年8月、開幕2日前に迫った蘇我の会場でした。渋谷さんは『ひたちなかを忘れたわけではないです』と話していました」

 「一方で『暑い夏にフェスを開催することそのものも、考えなきゃいけない』と少し困った様子でした。その年は設営スタッフが何人か熱中症にかかってしまったそうで、1時間作業したら1時間休憩するような形で設営を進めていたそうです。会場の設営スケジュールが予定より遅れてしまっていた」

 「『もし来場者に熱中症の重…

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