愛媛県今治、西条両市で計約442ヘクタールが焼けた山林火災について、両市長が28日、県に対し、治山や砂防事業を急いで進めるよう求めた。火災により地盤の保水能力が下がり、迫る出水期を前に土砂災害の危険性が高まっているためだ。
今治市の徳永繁樹市長と西条市の高橋敏明市長が同日、県庁で中村時広知事と面会し、要望書を手渡した。両市長の求めに、中村知事は「関係者が一丸となって対応をさせていただく」と応じた。
徳永市長は要望後、取材に対し「国、県にご指導をいただきながら、市民を巻き込んで再生に向けた歩みを始めたい」と語った。
火災は3月23日に今治市長沢で発生。強風による飛び火で住宅などに延焼し、両市で計23棟が焼けた。今治市は同31日に鎮圧、4月14日に鎮火を発表した。
県によると、国の補助を受けた県の事業として、被災地周辺に土砂の流出を防ぐ砂防ダムや堰堤(えんてい)を設置するため、県の土木担当の職員が現地調査を進めているという。工事完了には1年以上かかる見通しで、担当者は「国との協議を進め、できるだけ早い着工を目指したい」としている。