ドローンで熱源が感知された山林近くに駆けつけた消防車=2025年3月28日午前9時15分、愛媛県今治市朝倉北、堀江泰史撮影

 愛媛県今治市で23日に発生した山林火災について、徳永繁樹市長は28日に開かれた県の災害対策本部会議で、現段階で延焼を食い止めることができているとして「延焼阻止の状態にあることを宣言したい」と述べた。

 焼失面積は28日午後2時半現在、隣接する西条市を含め約442ヘクタールで建物被害は21棟。火災現場では27日夕から28日早朝にかけて28.5ミリの雨が降り、炎や煙が見えなくなった。ただ、消防のドローンによる調査では、山肌に高温の熱源が複数見つかり、消火活動は続く。

 徳永市長は、29、30日は熱源監視と消火活動を続け、その後に安全性を確認した上で「鎮圧宣言」を出す考えも示した。

 市内7地区3056世帯5988人を対象に出していた避難指示については2地区333世帯611人を除いて解除された。西条市も、792世帯1506人に出していた避難指示を全て解除した。

 一方、JR四国は28日、25日に「飛び火」によって炎がホームまで迫ったJR予讃線伊予桜井駅の乗客の乗り降りを再開した。

 岡山市南区飽浦(あくら)で23日に起きた山林火災について市は28日、同日正午をもって延焼拡大の恐れがない鎮圧状態になったと発表した。災害対策本部会議で、上空と地上から火災現場の熱源などを調べた結果が報告され、これらを受けて大森雅夫市長は鎮圧を宣言した。

 焼失面積は県内で過去最大規模の約565ヘクタール。空き家や倉庫など計6棟が焼損した。

 山林火災は23日午後3時ごろ、発生した。翌24日に小康状態になったとして避難指示は解除された。だが強風や乾燥により火の勢いが再び強まり、延焼が拡大した。現場では27日夜から28日未明にかけてまとまった雨が降っていた。

 大森市長は「小さな火種を一つ一つチェックし完全消火を目指したい」と話した。

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