全国燗酒コンテストで最高金賞に選ばれた「山丹正宗 刀」=八木酒造部提供

 温めておいしい日本酒を選ぶ「全国燗(かん)酒コンテスト2024」の「プレミアム熱燗」部門で、八木酒造部(愛媛県今治市)の「山丹正宗 刀」が最高金賞に輝いた。

 八木酒造部は1831(天保2)年創業の老舗。今回受賞したのは、県産酒造好適米「しずく媛(ひめ)」で仕込んだ純米大吟醸酒で、県産のデルフィニウムの品種「さくらひめ」の花から抽出した「さくらひめ酵母」を使用した。

 審査温度が55度のプレミアム熱燗部門には158点が出品され、「山丹正宗 刀」を含む8点が最高金賞に選ばれた。同社の最高金賞受賞は初めて。受賞作は淡麗な酒質で、あっさりとした料理に合い、鮎(あゆ)の塩焼き、季節の野菜の天ぷら、焼き鳥(塩)などがおすすめという。

 八木酒造部は酒造りでフルーティーな冷酒を得意としてきた。八木伸樹社長は「古酒が有利とされる燗酒ではあまり結果が出せなかった。だが、きれいな癖のない酒質であれば、冷酒が前提でも古酒に負けないおいしい燗酒になるのではと、レベルアップに努めてきた。思ったより早く結果が出たことに驚いている」と喜びを話した。

 コンテストは2009年から開催。熱燗のほか、審査温度45度の「ぬる燗」、濁り酒、古酒、樽酒(たるざけ)などの「特殊ぬる燗」といった全5部門があり、今回は全体で939点が出品された。(大村治郎)

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