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竹田市地域包括支援センターの阿部秀彬さん(中央)は市内の高齢者宅を訪ねて難聴などの相談に乗る=大分県竹田市、本人提供
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現場へ! 言語聴覚士 知ってる?(5)

 大分県竹田市は戦国時代からの城下町で、滝廉太郎が少年期を過ごし、名曲「荒城の月」を構想したことで知られる。人口は約1万9千人。2025年には高齢化率が5割を超える見込みで、少子高齢社会の課題が顕在化する「2040年問題」を先取りしている。

 市全域の高齢者が対象の支援拠点が市地域包括支援センターだ。保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3職種に加えて理学・作業療法士、言語聴覚士と歯科衛生士、管理栄養士が在籍。全国有数の態勢で介護予防に取り組み、自宅生活の継続を目指す。

 運動教室や出前講話、独居や老老介護の高齢者宅の戸別訪問もする。18年11月に病院から転職した言語聴覚士の阿部秀彬さん(37)は訪問した高齢者のコミュニケーションやのみ込みを評価し、認知症支援にも従事する。

 訪問先では「どれだけ長く『あー』と言えますか」などと道具不要の検査を試みる。口腔(こうくう)内を見るにも、「まねしてください」と自分が口を開け、相手にも開けてもらう工夫が必要だ。

 相手が認知症だとすぐには家に入れないことも多い。まず笑顔であいさつし、「食事はとれてますか」と雑談で実態把握に努める。信頼関係ができたら困りごとを聞き取り、医療や介護サービスにつなぐ。

 訪問依頼は警察や民生委員からも。呼び鈴も電話も応答しないとの通報で警察が踏み込むと、在宅した高齢女性は音が全く聞こえていなかった。警察の依頼で阿部さんが出向き、耳鼻科受診で両耳に耳あかが詰まっていたのが判明した。

 介護保険の申請手続きの手伝いや医師の診察に付き添う受診同席もする。「地域で関わる支援の領域に、限りはありません」

「あらゆる手段で脳を刺激」

 一方、病院所属の言語聴覚士…

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