2024年の介護事業者の倒産(負債額1千万円以上)は172件で、介護保険制度が始まった00年以降、最多となったことがわかった。東京商工リサーチが9日、調査結果を公表した。うち約半数は24年度に基本報酬が引き下げられた訪問介護が占めた。物価高のなか今後も倒産が増える可能性が高いという。
- 倒産過去最多の訪問介護事業 地方の現場「高齢者をどうしたいのか」
調査によると、24年の介護事業者の倒産件数は172件で、グループでの連鎖倒産が30社近くあった22年(143件)を除き、実質的に過去最多だった23年(122件)から1.4倍に急増した。
業種別でみると、訪問介護は81件で全体のおよそ半数を占め、過去最多となった。続いて、デイサービスなど通所・短期入所介護事業が56件で過去2番目、有料老人ホームも18件で過去最多だった。
規模別では、従業員数5人未満が最多で103件(59.88%)、5人以上10人未満が40件(23.25%)で、小規模・零細事業者で苦しい経営状況がみられた。
訪問介護をめぐっては、24年度に実施された介護報酬(介護サービスの公定価格)の改定で、基本報酬が引き下げられ、経営への影響が懸念されていた。
「介護の空白地帯が生じかねない」
同社によると、居宅を一軒ず…