福島県郡山市のサービス付き高齢者住宅(サ高住)で住人の女性にケガをさせたとして傷害罪に問われた介護福祉士の吉田一生(かずき)被告(35)=福島県須賀川市に対し、福島地裁郡山支部は30日、無罪判決(求刑懲役1年)を言い渡した。下山洋司裁判官は「(ケガは)転倒などによる可能性が否定しきれない上、被害者証言の信用性に疑問が残る」と指摘した。
吉田被告は、郡山市内にあるサ高住の一室で昨年8月10日夕方から翌朝の間、女性(当時86)の頭を杖のようなものでたたき、壁にたたきつけるなどの暴行を加え、頭などに全治3週間のケガを負わせたとして起訴された。
判決は、診察した医師やサ高住の職員の証言から、①ケガの一部は犯行期間とは別の日時にできたと考えられる。犯行期間と一致するケガも、女性はよく転んでいたことから転倒でできたと考えてもおかしくない②女性には誇張する傾向があり、証言どおりであれば骨折のような大ケガもあったはず――と指摘。「結局、被告が暴行を加えたことには合理的疑いが残り、公訴事実を認定できない」と判断した。
吉田被告は「事件」から1カ…