フランスのマクロン大統領は28日、インドネシアでプラボウォ大統領と会談し、防衛協力の拡大に向けた基本合意を発表した。「自国第一」を掲げるトランプ米政権の予測困難な動きを受け、国際秩序の不確実性が強まるなか、安全保障で連携先を多様化させる狙いがにじむ。
- パリに輝くミシュランの星 女性すし職人が世界初 亡き夫との約束
「我々を結び付けているのは、誰とも戦争はしたくないが、誰にも依存したくないという思いだ」。マクロン氏はプラボウォ氏との共同会見で、米中対立のはざまに置かれた欧州とアジアの立場をこう表現した。
フランス側の発表によると、フランスとインドネシアは今回、すでに調達契約を結んでいるラファール戦闘機やフリゲート艦などの仏製兵器について、追加取得の意向を表明した覚書を仏側と交わした。共同演習の実施も合意しており、マクロン氏は両国の安全保障協力について「新たな展望が開ける」と強調した。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、マクロン氏はグローバルサウス(新興国・途上国)との関係強化に動き、ロシア制裁や停戦への協力を呼びかけてきた。一昨年7月にはインドのモディ首相を革命記念日の軍事パレードに招待。インドとはラファール戦闘機の売却でも合意している。
兵器の輸出先確保迫られるフランス
フランスにとってグローバル…