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ジャカルタで2025年5月28日、共同会見を終えて握手を交わそうとするフランスのマクロン大統領(左)とインドネシアのプラボウォ大統領=ロイター

 フランスのマクロン大統領は28日、インドネシアでプラボウォ大統領と会談し、防衛協力の拡大に向けた基本合意を発表した。「自国第一」を掲げるトランプ米政権の予測困難な動きを受け、国際秩序の不確実性が強まるなか、安全保障で連携先を多様化させる狙いがにじむ。

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 「我々を結び付けているのは、誰とも戦争はしたくないが、誰にも依存したくないという思いだ」。マクロン氏はプラボウォ氏との共同会見で、米中対立のはざまに置かれた欧州とアジアの立場をこう表現した。

 フランス側の発表によると、フランスとインドネシアは今回、すでに調達契約を結んでいるラファール戦闘機やフリゲート艦などの仏製兵器について、追加取得の意向を表明した覚書を仏側と交わした。共同演習の実施も合意しており、マクロン氏は両国の安全保障協力について「新たな展望が開ける」と強調した。

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、マクロン氏はグローバルサウス(新興国・途上国)との関係強化に動き、ロシア制裁や停戦への協力を呼びかけてきた。一昨年7月にはインドのモディ首相を革命記念日の軍事パレードに招待。インドとはラファール戦闘機の売却でも合意している。

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