フランスのマクロン大統領は9日に放映された仏テレビのインタビューで、6月にもパレスチナを国家として承認する方針を明らかにした。背景には、イスラエル寄りの姿勢を強めるトランプ米大統領のもとで、米国が主導してきた、パレスチナ国家を樹立してイスラエルと共存させる「2国家解決」が破綻(はたん)しかねないとの危機感がある。
マクロン氏は8日、訪問先のエジプトから戻る機中でインタビューに応じた。パレスチナの国家承認について、「我々は今後数カ月で承認に向けて進む。それが正しいことになると考えている」と述べた。
フランスは米ニューヨークで6月、パレスチナ問題に関する国際会議をサウジアラビアと共催する。マクロン氏は、フランスがこの会議に合わせてパレスチナを国家承認する見通しを表明。フランスが「イスラエルの存在を否定する者と戦うことや、地域の集団安全保障に関わることが可能になる」と述べた。パレスチナを国家承認することで、反イスラエルの立場を取るアラブ諸国にイスラエルの承認を促す狙いがあるとみられる。
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