太陽光発電事業の建設予定地周辺=2025年9月2日午後2時46分、仙台市太白区秋保町長袋、岸めぐみ撮影

 「仙台市がメガソーラー事業を進めている」という誤情報が広まっているとして、市は2日、大規模な森林伐採を伴う太陽光発電事業について、自粛を強く求める方針を発表した。

 仙台市の秋保地区では、沖縄県の開発企業が山林約600ヘクタールに、太陽光パネル製造工場と太陽光発電所の設置を計画。昨年3月に地権者への説明会があった。2027年に着工し、31年に操業を始めるという内容だったという。近隣住民は、昨年10月には建設に反対する陳情書、今年7月には5385人分の反対署名を市に出した。

 建設にあたっては、事業者が県や市に許可申請をする必要があるが、市にはまだ提出がなく、説明も受けていないという。

 そんな中、市長選(8月3日投開票)の候補者が「メガソーラー反対」を主張。SNSで「郡市長がメガソーラー建設を推進している」という誤情報も拡散した。8月以降、市に約50件の問い合わせが寄せられたという。

 認可も申請もまだの計画ながら、市は反対姿勢を打ち出す必要があると判断。太陽光発電の立地にかかわる指導方針を改めた。

 これまでの方針は「自然環境の保全と太陽光発電の普及の両立を図る」として、環境配慮を求めるのみだった。改定版では、森林地域での1ヘクタール以上または400キロワット以上の事業を対象に、「手続きに入る前の段階で自粛を求め、計画の見直しにより、森林の大規模伐採の回避を図る」とした。

 市によると、建設予定地は都市計画法で定められた市街化調整区域のため、太陽光パネル製造工場の建設は認められない。ただ、太陽光パネル自体は建築物にあたらないため、森林法で定められた基準を満たすと、県から設置の許可が下りるとみられる。

 市の担当者は「現行の森林法のもとで、法的拘束力のある禁止条例を市が定めることは難しい。事業者に強く自粛を求めるのに並行して、国に対しても森林法改正の要望を進めている」と話す。

 誤った情報が広まったことに…

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