Smiley face
写真・図版
ゲーム「8番出口」©2023 KOTAKE CREATE

 令和の日本に新たなホラーブームがやってきた。映像や小説などの表現手段を問わず、うそであることを前提に本物らしく作るフェイクドキュメンタリー形式の作品が相次いで登場。何げない日常が少しずつ侵食される怖さが追求されている。

 ブームの火付け役は、ライターを名乗る背筋(せすじ)さんが小説投稿サイトで連載した「近畿地方のある場所について」だった。雑誌の記事やネット掲示板の書き込みを模した短い文章の連なりから、近畿地方の「●●●●●」という一帯にまつわる怪異が浮かびあがる作品。昨夏には書籍として刊行され、20万部を超えるベストセラーになった。

 本物らしさを装い、見慣れた日常とのわずかなずれを怖がらせる作品は、媒体を超えて広がっている。

 テレビ東京が今春放送した深夜番組「イシナガキクエを探しています」は、失踪した女性の情報を視聴者から集めるための公開捜索番組を装ったフェイクドキュメンタリー。電話を受け付けるオペレーターを背景にアナウンサーが番組を進行するうちに、寄せられた映像から奇妙な事実が明らかになる。

映画「リング」に代表される1990年代のJホラーブームとの違いは?後半で識者が読み解きます。

 個人開発で累計100万本を…

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