My吹部seasons
さいたま市立土屋中学校吹奏楽部が勢いに乗っている。
同じ埼玉県内にある草加市立の川柳、草加、青柳という三つの中学校を全日本吹奏楽コンクールに導いた浅井加奈子教諭が2020年度に着任したのだ。
土屋中は22年度に全日本吹奏楽コンクールに初出場して銀賞を受けると、23、24年度にも出場して金賞を連続受賞した。
今年度は西関東アンサンブルコンテストでも代表に選ばれ、3月20日に福井市で開催される全日本アンサンブルコンテスト(全国大会)に初出場することが決まっている。
浅井は快進撃の要因に「恵まれた環境」を挙げる。
「すぐ近くにある埼玉栄高校と合同練習をさせていただいたり、春日部共栄高校吹奏楽部の顧問の織戸祥子先生が土屋中OGという縁で、コンサートにゲスト出演させていただいたり。地域には一般バンドがあり、中学生の吹奏楽活動も温かく見守っていただいています。学校からもバックアップをいただいています」
土屋中の練習時間は決して長くないが、成果を出し続けている。
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今回、全国大会に出場するのは打楽器八重奏チーム。2年生で演奏リーダーを務めている栗田紗弥(さや)はこう語る。
「昨年度も打楽器八重奏でアンサンブルコンテストに出たんですけど、県大会銀賞で終わってしまい、すごく悔しかったです。今回はその気持ちをバネに頑張りました。代表に選ばれてうれしいです」
メンバー8人が選抜されたのは、金賞を受賞した10月の全日本吹奏楽コンクールの後だ。練習時間は限られ、最初はまとまるのも大変だった。「半分が男子で、練習のときにおしゃべりしたり、わちゃわちゃしたりしがち。まとめるのがちょっと大変でした」と紗弥は振り返る。
しかも、2年生5人に1年生3人で、うち2人は管楽器パートからの助っ人だ。
【連載】My吹部Seasons
吹奏楽作家のオザワ部長が各地の吹奏楽部を訪ねます。
楽器パートを超えた支え合い くすぐる好奇心
普段はトランペット担当で…