(22日、第107回全国高校野球選手権北北海道大会決勝 白樺学園3―4旭川志峯)
「ピンチを作ってしまった」
三回表無死一、二塁、マウンドに立つ旭川志峯の河合悠希投手(3年)は動揺していた。
この回、先頭打者に死球を与えた。それから、いつもは聞こえている内野手たちの声かけが聞こえなくなり、投球を低く抑えようとしても、浮いてしまう。
ふとベンチを見ると、仲間たちが叫んでいた。
「投げきれ」
自分のことを信じてくれていると感じた。気持ちが落ちつき、制球が戻ってきた。毎回得点圏に走者を背負う苦しい試合だったが、9回184球を投げきった。準決勝は登板がなく、「あしたは投げられるかなと思って準備していた」という。「結果が出て良かった」
背番号1をつけるが、山本博幸監督からは「まだエースとは呼べない」と言われてきた。精神面も技術面も、歴代のエースにはまだ及ばないと自覚している。「甲子園ではエースと言ってもらえる投球をしたい」