力投する岐阜農林の駒月翔真投手=2025年7月5日午前11時29分、ぎふしん長良川、高原敦撮影

 (5日、第107回全国高校野球選手権岐阜大会1回戦 土岐商2―1岐阜農林)

 岐阜農林の先発・駒月翔真投手(3年)は1点リードの三回、自らの暴投で同点に追いつかれ、さらに土岐商の4番岩井柊希(とうき)選手(3年)を迎えた。

 立ち上がりから球が浮き、四球を四つ出していた。この打席もスリーボール。「いい打者だと知っていた。四球を与えず1対1で戦おう」。だが渾身(こんしん)のスライダーははじき返され、決勝の適時打となった。「甘く入った。自分の負けです」

 先発は試合直前に告げられた。早川威風主将(3年)が「駒月で行きましょう」と滝晃成監督に進言したという。

 緊張もあったが徐々に持ち直し、130キロ台中盤の直球とスライダー、カットボールを駆使して八回途中まで失点2に抑えたが、一歩及ばなかった。「期待に応えられず悔しいです」

 心残りがある。駒月投手は背番号10。背番号1は外山凌雅投手(3年)が背負っている。「エースは外山なんです。それでも自分が先発させてもらった。きょう勝って2回戦で外山に投げさせてあげたかった」

 滝監督は「気持ちが入っていたので中盤以降に修正してくれると思っていた」と振り返る。そして、「色んな方のサポートや指導でこの場に立てた。今後はそういった思いも大事にしていってほしい」と言葉を贈った。

共有
Exit mobile version