朝日新聞神奈川版でPTA問題を取り上げた企画「PTAのいま」を読んだ読者から、横浜総局に一通のメールが届いた。「当校PTAの取り組みを紹介したい」。メールの送り主は川崎市立柿生小学校(麻生区)のPTA会長、林章之さん(44)。「悩んでいるほかのPTAの参考になるかもしれない」という。3月に同校を訪ねた。
「柿生小に合った活動の形を模索していたんです」。林さんはこう話す。柿生小の歴史は古く、2023年度に創立150周年を迎えた伝統校。PTA会長は林さんで32代目になる。地域とのつながりは深くPTAの活動もさかんで、林さんが会長に就任したときは、入学と同時にPTAに自動加入するシステムだった。「保護者は子ども1人につき1役」といったルールもあった。
PTAの役員や委員会のメンバーを決めるのは毎年、大変な作業だ。PTAの仕事に対して「義務」や「強制」と感じる保護者も少なくなかった。PTAは果たして必要なのだろうか――。23年度に検討することにした。
「参加はしたくない」背景とは
まず、PTA改革のための「…