川崎市立柿生小学校の杉本真智子前校長(右)と談笑するPTA会長の林章之さん(中央)、山本弘江さん=2025年3月12日、川崎市麻生区、小林直子撮影

 朝日新聞神奈川版でPTA問題を取り上げた企画「PTAのいま」を読んだ読者から、横浜総局に一通のメールが届いた。「当校PTAの取り組みを紹介したい」。メールの送り主は川崎市立柿生小学校(麻生区)のPTA会長、林章之さん(44)。「悩んでいるほかのPTAの参考になるかもしれない」という。3月に同校を訪ねた。

 「柿生小に合った活動の形を模索していたんです」。林さんはこう話す。柿生小の歴史は古く、2023年度に創立150周年を迎えた伝統校。PTA会長は林さんで32代目になる。地域とのつながりは深くPTAの活動もさかんで、林さんが会長に就任したときは、入学と同時にPTAに自動加入するシステムだった。「保護者は子ども1人につき1役」といったルールもあった。

 PTAの役員や委員会のメンバーを決めるのは毎年、大変な作業だ。PTAの仕事に対して「義務」や「強制」と感じる保護者も少なくなかった。PTAは果たして必要なのだろうか――。23年度に検討することにした。

「参加はしたくない」背景とは

 まず、PTA改革のための「…

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