日本銀行は10日、2023年度の国内企業物価指数(20年平均=100、速報値)が前年度より2.3%上昇したと発表した。過去最高の上昇率となった昨年度(9.5%)から上げ幅を大きく縮小した。原材料やエネルギーの価格上昇が一服したことが影響した。
企業物価指数は企業の間で取引されるモノの価格水準を示す。22年度はロシアのウクライナ侵攻や円安の加速を受け、資源価格や輸入資材が高騰。それを転嫁する動きが企業で広がった。23年度も飲食料品や輸送用機器で転嫁の動きが続いた一方、資源価格の落ち着きや政府による電気・ガス代の高騰対策が押し下げ要因となった。
同日発表された、今年3月の国内企業物価指数の前年同月比の伸びは0.8%。上昇は37カ月連続で、伸び率は2月(0.7%)から小幅に広がった。電気・ガス代の高騰対策の押し下げ効果が一巡したため。ドルなど契約通貨ベースの輸入物価指数は前年同月比で6.9%下落し、12カ月連続で下がった。ただ、円ベースでは円安の進行を受けて1.4%上昇した。(山本恭介)