伊勢神宮(三重県伊勢市)で20年ごとに社殿などを一新する2033年の式年遷宮に向けて、内宮や外宮で使われる木材が切り出された。20年に1度の伐採を担う長野県上松町では、技術と伝統を引き継ぐ知恵が息づいている。

  • 伊勢神宮の式年遷宮へ、ご神木切り出し 長野・上松町で「御杣始祭」

 同町で3日にあった「御杣始祭(みそまはじめさい)」。雨脚が時折強くなる中、ご神木を伐採する杣夫(そまふ)たちが代わる代わる、おので切れ目を入れた。コン、コンという小気味よい音が森に響く。

 切り始めてから1時間20分ほど経つと、杣夫の責任者の橋本光男さん(72)が声を張り上げた。

 「1本寝るぞ~、いよいよ寝るぞ~」

 最後の切れ目を自ら入れると、ギーという長い音とともに、ご神木が倒れ、ズーンと重い音がした。

最初の斧を入れる杣(そま)頭の橋本光男さん(右)=2025年6月3日午後0時5分、長野県上松町、小玉重隆撮影
ヒノキを伐採する杣夫(そまふ)=2025年6月3日午後1時24分、長野県上松町、小玉重隆撮影
ヒノキを伐採する杣夫(そまふ)=2025年6月3日午後1時25分、長野県上松町、小玉重隆撮影

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 林野庁の森林管理の部署で勤…

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