福島県の奥会津地方を走るJR只見線の駅の一つ、会津柳津駅が、観光やまちづくりの拠点として生まれ変わった。JR東日本から駅舎を譲り受けた柳津町が改修し、13日にオープンした。観光案内窓口やカフェに加え、町内発祥の「赤べこ」の工房も併設され、町のにぎわいづくりに貢献しそうだ。
会津柳津駅舎は、駅を地域活性化に活用したいという柳津町の計画に賛同したJR東が、昨年4月に無償で町に譲渡した。町は同年7月から、総額約1億4千万円かけて改修工事を進めてきた。
完成した木造平屋建ての駅舎は外壁が白や黄土色で塗られ、内部は木組みの天井で、昭和初期のレトロな雰囲気を醸し出している。待合室の隣には地元住民が運営するカフェや、地域おこし協力隊員が民芸品を造る赤べこ工房がある。赤べこは会津を代表する郷土玩具で、柳津町の昔話がルーツだ。これまでは発祥の地にもかかわらず工房がなく、同町にとっては念願のオープンとなった。
12日には式典があり、小林功町長は「只見線を利用して訪れた観光客や地元住民の憩いの場となるよう活用していきたい」とあいさつ。JR東も「駅を中心としたまちづくりは我々にとってもありがたい。町と連携して只見線を盛り上げていきたい」と語った。
カフェは土日祝日に営業する。赤べこ工房も土日を中心に開き、絵付け体験などができる。(斎藤徹)