「球場全体を巻き込んで、流れを一気に変えてくれる力がある」
愛工大名電高校(愛知)野球部の吉田剛さん(3年)が、そう信頼を寄せるのは、スタンドからの吹奏楽部の演奏だ。
実は打席に集中していると、応援の音は聞こえなくなる。それでも、肌で感じるものがある。
「絶対打ってやろうっていう気持ちになるし、応援の中でヒットを打つと何倍もうれしい」
その応援のパワーはどこからくるのか。ヒントは吹奏楽部員同士の「会話」にあるという。
連載 アルプスの夏音
今年も6月1日に甲子園ブラスバンドフェスティバルが開かれます。アルプススタンドの「あの曲」にまつわる物語や、応援に懸ける思いを描きます。
「吹奏楽の甲子園」とも称される全日本吹奏楽コンクールの常連である同校。吹奏楽部は200人を超える大所帯だが、部員同士で直接言葉を交わすことを何よりも大切にしている。
部内での相談や連絡に、顔の…