常に正座で碁盤に向かう山下敬吾九段=東京・市ケ谷の日本棋院

正座と日本文化(上)

 正座と言えば、日本文化と切り離せない座り方だ。このごろはできない人が増え、後継者が育たない一因ともいわれる。伝統の行方が気になり、居ても立ってもいられず、文化芸能の担い手たちに話を聞いた。

 将棋の渡辺明九段が昨年12月から、ひざの手術で1カ月休場した。フットサルで左ひざの前十字靱帯(じんたい)断裂という大けがを同5月に負いながら対局を続けていた。本人の申し出で、12月からいすの対局になったが、痛みに耐えかね投了したという。復帰したが今年4月、再び6月末まで休場している。

 将棋棋士の対局は座布団に座るという原則がある。アマチュアの将棋大会ではいす対局がほとんど。座布団は全国トーナメントの決勝くらいだ。

 日本将棋連盟によると、公式戦の対局のときに正座をする決まりはない。「将棋は日本文化なので、対局は和室がいい」という考え方で、開始と終了時はほとんどの棋士が正座するが、感想戦では藤井聡太名人もあぐらをかく。

 プロ棋士でもいすに座る対局…

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