伝説、幻、怪魚――。そんな言葉で伝わる巨大魚がいる。山形県の山の奥深くに。呼び名は「タキタロウ」。いくつもの言い伝えや目撃例がある。いまも、ふもとの住民や登山者、釣り人たちを魅了してやまない。
新潟との県境近く、旧朝日村(鶴岡市)の大鳥池(おおとりいけ)にすむと伝わる。ブナの原生林に囲まれた標高966メートルの高山湖。2万年前の氷河期のころに大規模な山崩れでできたせき止め湖とされ、深さは最大68メートルある。
体長は2メートルとも3メートルとも。あごがしゃくれ上がっている、体はぬめりがある、などとされる。名前の由来は、発見者の名や「滝の主」説など。秋田県出身の矢口高雄の漫画「釣りキチ三平」に登場し、全国で知られるようになった。
「いるかも。そう思える神秘的なところ」
夫と釣りを楽しむ福島県郡山…