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御殿場西―遠江総合 五回表、御殿場西は進士の犠飛で三塁走者の名古が生還=2024年7月6日午後0時55分、草薙、大海英史撮影
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 (6日、高校野球静岡県大会1回戦 御殿場西8―1遠江総合)

 御殿場西の代名詞「フルスイング」が、今春から本格導入された低反発バットをものともせず、火を吹いた。同点に追いついた後の五、六回、長短打でたたみかけ、7点をもぎとった。

 2安打の名古竣祐選手(3年)はトレーニングと食事で昨夏より体重が15キロ増え、低く鋭い打球を飛ばせるようになった。木製バットで芯をとらえる練習を繰り返し、チームは春からの練習試合で例年より多い20本以上の本塁打を放った。

 常葉菊川(現常葉大菊川)を春の選抜で優勝に導き、御殿場西でもフルスイングの野球を指導した森下知幸前監督が1月に急逝した。薫陶を受けた竹内健人監督も教えを受け継ぐ。「まず最少失点で抑え、積極的に打ち、走るのが僕らの野球です」と名古選手は言う。

 その前の試合でも静岡市立が11安打で8点を取った。3安打の水口啓太主将(3年)は「芯でとらえれば打球は変わらない」と自信を持つ。筋力トレーニングで低反発に負けない体をつくった。

 「最初は全然飛ばなかったが、最近は低反発に慣れて、以前と遜色ない」と安井信太郎監督は舌を巻く。以前より前で守らせていた外野手も元の位置に戻したという。

 高校生たちの順応力の高さと工夫は新バットのハードルも軽々と超えていく。(大海英史)

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