原爆ドームがある広島市中心部から北西約6キロの住宅地で、電車の延伸計画をめぐって議論が起きている。延伸による利便性向上で人口減を阻止したい市に対し、一部の住民らが住宅街を通るルートなどを問題視している。人口減が進んでいく都市で、公共交通のあり方が問われている。
丘陵地帯に閑静な住宅街が広がる。半世紀前に造成が始まった「五月が丘団地」は、7千人近くが住むベッドタウンだ。市中心部と郊外を結ぶ新交通システム「アストラムライン」の延伸計画は、この団地内を南北に縦断し、団地内に2駅設けるというものだ。
ただ、住民の賛否は割れている。便利になると歓迎する人がいる一方、一部の住民は立ち退きを迫られる。電車は高さ約10メートルの高架や地下を走るため、景観や地下水への影響を懸念する声がある。
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