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空き家の解体作業現場。重機で取り壊し、人力で木くずやプラスチックなどを分類して集める=埼玉県内

 空き家などの住宅の解体費が2024年度に1戸平均で187.7万円となり、前年度から7%増えた。20年度と比べると27%増で、集計した解体工事仲介サービス会社のクラッソーネは「人件費や廃棄物処理費が上昇し、工事価格を押し上げている」とみる。

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 同社は解体を望む人と2千社超の工事業者とを結びつけるサービスを展開している。家じまいを考える際、選択肢の一つになる取り壊し。その費用は木造か鉄骨造かの構造や、広さで大きく異なる。

 のべ床面積が約100~132平方メートル(30~40坪)の木造住宅で、成約した工事価格の平均値を集計すると、20年度の148.2万円が、24年度は187.7万円と年々増加。極端に高い工事の影響を除くため、中央値(価格を高い順に並べた真ん中の値)でみても、20年度の140.9万円から24年度は180.0万円と同じ傾向だった。

 価格の分布をみると、20年度は100万~159万円の価格帯が全体の7割だった。しかし、24年度はこの価格帯が3割にとどまり、中心となる価格帯は160万~219万円に上昇していた。

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解体工事費用の分布

 工事費は廃材処理費が3~4割、人件費や重機の燃料費が3~4割を占める。木材や木くずなどは分別してリサイクルする必要があり、処理費が上昇。人手不足や燃料費高騰も価格押し上げの要因になった。

 300万円前後と高い工事は…

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