福島県双葉町に来春、大手スーパーイオンが出店することになった。町とイオン東北が9日、「商業環境整備に関する覚書」を結んだ。役場の隣に完成する町の商業施設内に出店する計画だ。
同社によると、商業施設の建物面積は約300平方メートル。日々の生活に必要な食料品や日用品、家庭用医薬品を取りそろえるという。
店内には食事ができるスペースも確保し、地域の憩いの場になるような店舗にするという。辻雅信社長は「小さい店舗だが、住民が必要とする商品をそろえ、町に戻って生活を再開された方々を支えたい」と話した。
東京電力福島第一原発事故による避難指示が一部地域で解除され、同町内に戻って暮らす住民は現在、100人ほど。スーパーはまだない。町内に住む伊沢史朗町長は「スーパーが再びできれば安心して暮らせる環境ができ、町民の帰還が進む」と期待する。
町はこのほか町立体育館の跡地に、飲食店が入る施設を2025年度に整備し、3店舗程度が入る予定になっている。(大久保泰)