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高校1年生が殺害された事件から10年になるのを前に、追悼の全校集会で黙禱(もくとう)する生徒たち=2024年7月23日、長崎県佐世保市、上沢博之撮影

 長崎県佐世保市で県立高校1年の女子生徒(当時15)が同級生の少女(同)に殺害された事件から26日で10年になるのを前に、2人が通っていた学校で23日、追悼集会があった。県内では事件後、児童相談所や自治体、学校が連携を強め、対策に力を入れている。

 集会では、校長が校内放送で講話。「悲しい事件から10年になります。本校の生徒が、突然、不条理にも命を奪われ、夢を絶たれました」と伝え、「亡くなった先輩のご冥福を祈り、命に思いをめぐらし、二度と同じようなことが起きないよう、誓いを新たにしたい」と語りかけた。講話の後、全員で黙禱(もくとう)した。

 事件は2014年7月に発生。少女を診察していた精神科医が事件前、「放置すれば誰かを殺すのではないか」と児相に相談していたが、防げなかった。事件後の検証で県や県教育委員会などは、児相や小中学生時代の学校の対応、学校間の引き継ぎが不適切だったと結論付けた。

 対策として、児相の相談態勢を強化。保護や支援が必要な子どもの問題は学校が抱え込まず、児相や警察などと情報共有できる「要保護児童対策地域協議会」で対応できるよう、マニュアルもつくった。研修などで学校現場への浸透に取り組むほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも増員し、連携を図るといった取り組みを進めている。(上沢博之)

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