大分東明―佐伯鶴城 七回裏佐伯鶴城無死二塁、安打を放ち好機を広げた保田飛和主将=2025年7月7日午前11時12分、別大興産、大村久撮影

 (7日、第107回全国高校野球選手権大分大会1回戦 佐伯鶴城9―8大分東明=延長十一回タイブレーク)

 五回終了後のグラウンド整備中、佐伯鶴城のベンチ内で「このままじゃ俺は嫌や」と保田飛和(とわ)主将(3年)はチームメートに言った。

 五回まで相手エースに1安打に抑えられ、1―7と大量リードされる展開。「初戦で終わっちゃダメだ。俺らのチームはここを乗り越えれば、次々つながっていくんだ」と声を掛け、チームを鼓舞した。

 渡辺正雄監督は、六回から5選手を交代させた。「このままでは流れは変わらない。3年生の力を発揮してみろ」とハッパをかけたという。

 相手打線に毎回安打を許していたが、六回表は無安打に抑えた。するとその裏、主軸の3連打などで4得点して2点差に詰め寄る。勢いに乗って八回には同点としてタイブレークに持ち込み、延長十一回にサヨナラ勝ちした。

 渡辺監督は「3年生がよくがんばった」とねぎらう。保田主将は、「粘り勝つ野球」を鍛えてきた練習を振り返り、「みんなのお陰。泥臭く勝つようなチームが全員野球で勝った」と初戦突破を喜んだ。そして最後は「先を見ずに1戦必勝で戦っていく。それで上り詰めた先が甲子園につながっている」と気を引き締めた。

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