山形県の海岸で採取されたマイクロプラスチック。砂や木片、プラスチックごみが混ざる

 環境や健康への悪影響が懸念されるプラスチックが、様々なルートから人の体内に入り込んでいることがわかってきた。人体へのリスクについても、研究が進みつつある。多くのプラ製品に囲まれた生活の中で、便利さと安全をどう考えたらいいのか。また、私たち自身が注意できることはあるのか。

ペットボトルの水から24万個

 1リットルのペットボトル飲料水には平均24万個の微小なプラスチックが入っている――。

 米コロンビア大の研究チームは2024年1月、米科学アカデミー紀要にそんな調査結果を発表した(1)。9割は「ナノプラスチック」(ナノメートルは100万分の1ミリ)で、残りがそれよりも大きい5ミリ以下の「マイクロプラスチック」だったという。

 18年に別の米国チームが発表していたのは、ペットボトル飲料水1リットルあたり平均325個(2)。この数年で、ペットボトル内のプラの量が急増したわけではなく、装置の精度が上がり、ナノプラなどの非常に細かい粒子が分析できるようになったためだという。

ペットボトルの水には微小なプラスチックが入っているという報告もある

 他にも、海に流れ出たプラス…

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