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理学療法士の指導の下、体操を行う受刑者=2024年7月25日午後3時11分、福岡刑務所、鳥尾祐太撮影
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 刑務所に今年6月、大きな変化の波がやってくる。「懲らしめ」より「立ち直り」を重視する「拘禁刑」の導入だ。罪を犯した人を更生するためにできることは何なのか。取り組みの現状を取材した。

 拘禁刑は、刑法改正により懲役刑と禁錮刑が廃止されて導入される。刑務作業を一律に課すことなく、社会復帰に必要な職業訓練や更生指導に主眼を置く。

 目的は受刑者の再犯防止だ。刑務所では出所後の仕事に生かせるさまざまな資格を取得する人たちがいる一方、知的障害などがあり福祉的な支援が重要となる人たちもいる。

 約800人が服役している福岡刑務所(福岡県宇美町)では、昨年1月から特別なプログラムを始めた。今年1月末現在で20人が対象になっている。

週2回の個別面談

 プログラムの特徴の一つが福祉専門官や教育専門官、専門の研修を受けた刑務官による個別面談だ。受刑者1人につき週2回、1~3人の職員で約30分おこなう。出所後の仕事や家族とのかかわり方がテーマになることが多い。集めた情報は所内で共有し出所後の支援計画の作成にも役立てているという。

 「(障害が原因で)対人関係…

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