1983年11月11日、東京・西多摩の日の出山荘でロナルド・レーガン米大統領(右)とナンシー夫人をもてなす中曽根康弘首相(左)=代表撮影
  • 写真・図版

 防衛力の抜本的強化に関する有識者会議の初めての会合が2月19日に開かれました。委員の1人、杉山晋輔・元駐米大使は「一昨年末に決まった新しい国家安全保障戦略など安保3文書に魂を入れる作業が重要だ」と語ります。そのうえで、防衛装備品の輸出などを巡り、「何が戦後平和主義を守る道なのか、本質的な議論が足りていない」と危機感を示しました。

 ――有識者会議の初会合ではどのような議論があったのですか。

 昨年後半、防衛省から委員への就任を求められました。この会議の特徴は設置期間を決めず、日本の防衛力を強化するための大所高所からの議論を中長期的に行う点にあります。

 私は初会合で「3文書で防衛力の抜本的な整備という方向は決まったが、実施に移す作業はこれからだ。唯一の同盟国である米国との信頼関係を損ねないよう、防衛装備品の移転をさらに進めるなどの努力が必要だ」と発言しました。

 ――政府は武器輸出を制限している防衛装備移転三原則の運用指針を改定し、英国、イタリアと国際共同開発中の次期戦闘機の第三国への輸出を解禁しました。

 「戦後平和主義」を守るために、何をやらなければいけないか、という視点から導かれた結論だったと思います。そのためには、まず歴史的な経緯を知るべきです。

 従来の武器輸出三原則の原型…

共有
Exit mobile version