元モサド上級研究員・元イスラエル軍准将ヨシ・ベンアリ氏
イスラエルとイランの軍事的な応酬が激化している。イスラエルによる先制攻撃に端を発する現状と今後の見通しを、専門家はどう評価するのか。元イスラエル軍准将で、対外諜報(ちょうほう)機関モサドでパレスチナ担当の研究員を務めたヨシ・ベンアリ氏に聞いた。
――イスラエル軍によるイランへの攻撃を、軍事的観点からどう評価しますか。
- イスラエルの「優位性」で生まれる危険 変わる中東のパワーバランス
- 一転して攻撃容認、勝ち馬に乗りかける米国 イランの体制維持に懸念
6月13日の先制攻撃は、数年にわたり準備され、軍とモサドが連携して実行された作戦でした。軍事的にみると、あらゆる側面において極めて高い完成度で、世界中の軍事学校で使われる教科書に載せてよい水準の成功だったと思います。イスラエルの空軍機が、テヘラン上空を自由に飛び回れたことは象徴的でした。ただ、これを戦略的な成果に結びつけられるかどうかは、政治の手腕にかかっています。
■イランの名誉、傷つけた攻撃…