高校野球の発展に尽くした指導者に日本高校野球連盟と朝日新聞社が贈る「育成功労賞」に、いずれも佼成学園の前責任教師、星伯佳(のりよし)さん(59)と監督の藤田直毅さん(61)が選ばれた。佼成学園を再び甲子園へ――。選手に寄り添う姿勢や、指導に傾ける熱意が評価された。
佼成学園は今から50年前の1974年、夏の西東京大会を制し、夏の甲子園に初出場した。星さんはこの時、小学生。甲子園の舞台で戦う佼成学園の選手に憧れ、佼成学園中学に入った。
厳しい練習を重ねる日々。それでもなかなかうまくならず、後輩にレギュラーを奪われ、苦しんだ。野球を楽しいと思えなくなり、高校では野球部に入らなかった。
だが、大学卒業後、転機が訪れる。新卒教員として赴任した千葉県立高校で野球部の責任教師に就任。白球を懸命に追いかける選手に、かつての自分を重ねた。「野球、楽しかったな」。封印していた甲子園への夢を思い出した。
94年、母校での夢の実現に…