円安の追い風もあり、日本観光が世界的ブーム。チリの環境専門家アレックス・ゴドイさんの一家も今年2月、日本を初めて訪れ、休暇を満喫しました。充実した鉄道網や治安の良さ、都市全体の清潔感を高く評価しつつも、包装などの使い捨てプラスチックの消費量の多さには「がくぜんとした」といいます。
そこで、議論を喚起したいと論考を寄せてくれました(4日配信「チリの環境専門家が初来日で驚いた『文化的に根付いた』使い捨てプラ」)。ゴドイさんのRe:Ron登場は2回目。前回は昨年12月、韓国で開かれたプラごみ条約交渉の行き詰まりの背景を、インタビューで明かしてくれています。
ゴドイさんと筆者は2022年、米ハーバード大学の研究プログラムで知り合いました。筆者はフルブライト奨学金を受けてウクライナ戦争につながる旧ソ連の核政策を研究していましたが、環境問題も国際安全保障問題であるとの視点でゴドイさんと一致しました。
チリは、2019年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)の議長国で、海洋プラスチック問題では、太平洋の対岸の国として、日本と課題を共有しています。理念だけではなく現実の政策に落とし込もうと、ゴドイさんがチリ政府の環境担当者や国際組織の専門家らと熱い議論を続けていると知って以来、いつか取材や寄稿をお願いしたいと思っていました。そしてRe:Ronで昨年末と今回、実現できました。
環境問題の中でも、気候変動やプラごみは、自らへの影響を直ちには実感しにくい国際的なテーマです。今回の寄稿のように、国外からの視点を交えた問題提起で、読者の皆様に「ちょっと立ち止まって考える」タイミングをご提供できればと願っています。
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