「朝日地球会議2024」リアル会場のセッションから
「対話でさぐる 共生の未来」をメインテーマに開かれた「朝日地球会議2024」のセッションの一つ、「『戦後』の終わり? 暗黒か ユートピアか」が10月25日、東京都内で開かれた。
東西冷戦が終結してから35年。今も世界各地で紛争や内戦が続き、分断や対立も顕在化している。冷戦をキーワードに国際政治を研究する東大教授の板橋拓己さんと、イスラエルを中心とした中東政治に詳しい慶大教授の錦田愛子さんらが揺らぐ国際秩序と、その行く末について議論した。
セッションは、米コロンビア大教授で歴史学の世界的権威であるマーク・マゾワーさんと、ネットで世論を操る「仕掛け人」に注目した政治評論家で作家のジュリアーノ・ダ・エンポリさんのインタビュー動画をはさみながら進められた。
- 朝日地球会議2024 視聴申し込みはこちらから(12月31日まで)
最初の議題は2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻。マゾワーさんは動画で、冷戦後に東欧諸国もNATO(北大西洋条約機構)の安全保障体制に組み込まれていったことが、ソ連崩壊で混乱したロシアにとって「屈辱」だったとし、「西側諸国が将来起こりうることをどう調整するべきか、十分考慮していなかったのではないか」と指摘した。
記事後半では、ネットの普及によって変質する民主主義について語ります。海外の識者はトランプ氏を「カーニバルの王」と呼びました。なぜでしょうか。
第1次大戦後のドイツと、冷戦後のロシアの共通点は
板橋さんはNATOの東方拡…