Smiley face
写真・図版
ウスビ・サコさん=2025年7月10日、東京都中央区、長島一浩撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 アフリカ各国の首脳らと開発をテーマに議論するアフリカ開発会議(TICAD9)が8月に横浜市で開かれる。成長性豊かなアフリカと日本はどう向き合うべきか。マリ出身で元京都精華大学学長のウスビ・サコさん(59)に聞いた。

  • アフリカが直面する課題とは 根深い不平等や貧困、弾圧に広がる抗議

 ――1993年に始まったTICADは今回で9度目の開催です。日本とアフリカの関係は発展してきたと思いますか。

 日本でアフリカと言えば、昔はひとくくりに「未開の社会」「貧困」「教育レベルが高くない」といったものでした。今は「アフリカが多様である」ことは理解してもらえるようになりましたが、その中身までは十分伝わっていないと感じます。

 アフリカには「遠い」イメージがあるかもしれませんが、日本に来て、むしろ近しい価値観を持っていることに気づきました。自然崇拝やお年寄りを重んじること、相手への気遣いなど、実は欧州よりも近いと思います。日本の発展を模倣したいと思っている国は多い。日本は、自分のファンが多いことに気づいてほしい。

多様化する来日の理由

 ――サコさんが来日した91年と比べ、日本でもアフリカにルーツを持つ人は増えてきました。

 当時は出稼ぎ労働者やミュー…

共有