侮辱罪の法定刑を引き上げる改正刑法の施行から3年が経ったのを受け、法務省は9月にも検討会を設置し、同法の付則に基づく適用状況の検証を始める。正当な言論まで制約していないかや、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷に対処できているかなどについて、有識者を交えて現状を検討する。
侮辱罪は2022年7月から厳罰化され、法定刑に、1年以下の懲役・禁錮(現在は拘禁刑)と30万円以下の罰金が加わった。法務省によると、懲役・禁錮の適用例はなく、約90件で罰金が命じられたという。
鈴木馨祐法相は8日の閣議後会見で「悪質な侮辱行為に厳正に対処する意味でも、法改正には一定の効果があった」との認識を示したうえで、「(検討会では)さらなる法制上の措置の要否についてもご議論いただく」と述べた。
国会審議で「3年後の検証」明記
従来の法定刑は、拘留(30…