「英語を話しますか。それとも、ロシア語がいいですか」
旧ソ連構成国で、いまは欧州連合(EU)の加盟候補国である南コーカサスのジョージアを訪ねると、店やタクシーでの会話の最初は、「ガマルジョバ」(ジョージア語でこんにちは)の後に、こんな質問を英語で聞くように心がけている。
ジョージアは国土の2割をロシアが支援する分離独立派が支配し、2008年の「ジョージア戦争」ではロシア軍に侵攻された。ロシアとの国交を断絶し、国民の反ロ感情は強いとされる。
一方で、ソ連時代の名残から、中高年を中心にロシア語を話す人も多い。英語で話しかけたときには硬かった表情が、私のロシア語を聞いた瞬間にパッと明るくなり、ロシア語で冗舌に話し始める人も少なくない。
一時はロシア語を避ける雰囲気を強く感じたが、最近は、少し和らいだようにも感じる。
■「ロシアは敵だったが、今は…