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シリアで2017年12月、空軍基地を訪問したロシアのプーチン大統領(右)とシリアのアサド大統領。スプートニク提供=ロイター

 アサド政権のあっけない崩壊は、ウクライナ侵攻が長期化するロシアに、もはや友好国の政権を軍事的に支える力がないことを如実に示した。中東を含め、国際的な影響力の低下は避けられず、大きな打撃となる可能性がある。

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 「アサド氏と紛争参加者の交渉にロシアは関与しておらず、全関係者に外交的手段による解決を求める」

 ロシア外務省は8日、アサド氏の大統領辞任と国外退去を発表した際、距離を置く姿勢を鮮明にした。

 シリアはロシア軍が旧ソ連諸国以外で基地を保有する唯一の国。ロシア下院のカルタポロフ国防委員長はソ連崩壊時に旧東ドイツ地域から軍を撤退させざるをえなかったことを例に挙げ、「どのようにソ連軍がドイツなどでの活動を終えたかを忘れないことが重要だ。国益を守る必要があり、我々の大統領がやっている」と述べ、政権への衝撃の大きさをうかがわせた。

 今回の予兆は7月には見えて…

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