記者サロン「『スキマバイト』を考える」では(右から)片田貴也、北川慧一、沢路毅彦の3記者がメリットや課題について話した。中村和雄弁護士はオンラインで参加した=東京都中央区築地の朝日新聞東京本社、本間沙織撮影

 単発・短時間の仕事をスマートフォンのアプリでマッチングするスキマバイト(スポットワーク)が急速に広まっています。新しい働き方のメリットや課題について、労働問題に詳しい中村和雄弁護士と取材記者が「記者サロン」で議論しました。

 記者サロンには、経済部労働チームの片田貴也、北川慧一、沢路毅彦の3記者が参加した。中村さんにはオンラインで加わってもらった。

 全体は三部構成。①スキマバイトのメリット②その課題③今後どうするべきか――を話し合った。

 スキマバイトはスマートフォン上のアプリで求人企業と求職者をマッチングするサービス。アプリ上に仕事内容や時間、賃金が表示され、働きたい人が応募する。当日働く場所でQRコードを読み取り、終わったらまたQRコードを読み取る。その後、すぐに賃金が振り込まれる。法律上は「有料職業紹介」にあたる。

体調や都合に合わせて選べ、すぐに賃金支払い

 利用者の年代は、大学生から中高年、高齢者まで幅広い。ちょっとしたすき間時間に働き、賃金はすぐに支払われる。短時間働いたり、負担の少ない仕事を選んだり、自分の体調や状況に合わせて仕事を選べるメリットがある。

 企業側で利用が多いのは倉庫業や飲食店やイベント、小売店など労働集約型の業種だ。柔軟に人手を確保できるので、人手不足に悩む一方で、繁閑差が大きい業種の企業にとっても便利だ。

 業界団体によると、昨年12月時点で延べ約3千万人が登録。452万人が利用しているという推計もある。

 この新しい働き方について、中村さんは「大変便利だが、問題点も多い」と指摘する。

 例えば、アプリの利用制限…

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