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OTC類似薬とOTC医薬品の違い

 医師が処方する薬の中には、処方箋(せん)がいらない市販薬(OTC医薬品)と成分や効果が似た、「OTC類似薬」がある。市販薬と違い、公的医療保険でカバーされ、受診や薬の自己負担は一部ですむ。政府は年内に、この薬の「保険給付のあり方の見直し」を検討する。患者にどんな影響があるのだろうか。

 OTC類似薬は解熱鎮痛薬や抗アレルギー薬、湿布薬などがあり、種類は多い。成分や用量、効果は市販薬とほぼ同じだったり、一部違ったりする。

 保険適用によって、自己負担は原則、70歳未満の成人で3割、70~74歳で2割、75歳以上で1割。現役並みの所得がある70歳以上の人は3割負担だ。このため、診察や調剤の料金を合わせても、患者にとってはOTC類似薬の方が市販薬より安い場合が多い。

 そこを問題視したのが、4兆円以上の医療費削減を目標に掲げる日本維新の会だ。維新は今年度予算の成立に協力することと引き換えに始めた自民、公明との3党協議で、全てのOTC類似薬を保険適用から外せば、医療費を1兆円削減できると訴えた。

 実際に保険適用から外されれば、患者の負担はどう変わるのか。

 5月の3党協議で、使用額が大きいOTC類似薬の上位6品目と湿布薬1品目について、厚生労働省の試算が示された。試算では、一般的に使われる日数分の薬を、受診せずに大手ブランドメーカーの市販薬をメーカー小売り希望価格で買ったときと比べた。

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